
庭木の樹高を高くし過ぎないようにするには、芯止めをおこないましょう。木は中心の主幹に成長する力が集まるため、主幹を切る芯止めは庭木の高さをおさえる効果があるからです。
今回は芯止めという庭木の高さ調整の剪定方法についてくわしくご紹介します。芯止めの方法を間違えると、庭木が十分に成長しなくなるおそれがあります。正しくおこなうためにも、ぜひ最後までご一読ください。
目次
庭木の高さを剪定でおさえる芯止めを解説
剪定にはいくつか方法がありますが、庭木の高さをおさえるためには「芯止め」という方法をおこないます。芯止めとは、木の中心にある主幹を切り落とす剪定です。
成長する力が集まり上に伸びようとする主枝を切り落として主幹の伸びを押さえれば、縦方向には成長しないため樹高が高くなりにくいのです。 そこでここでは、芯止めに適した時期や必要な道具、おもな庭木の芯止め方法をご説明します。
芯止めに適した時期とは

樹木は大きく分けて、冬に葉を落とす「落葉樹」と1年中葉を落とさない「常緑樹」の2種類があります。芯止めをするのに適した時期は、一般的に落葉樹は12月~2月の間、常緑樹は梅雨がはじまる前の5月ごろです。
落葉樹は冬に休眠期に入りますので、剪定をおこなってもそれほど木に負担がかからないためです。常緑樹は新芽の成長が一段落するときにおこなったほうが木に負担がかからないため、梅雨がはじまる前におこなうのが一般的です。
常緑樹は真夏に体力が落ちやすいので、梅雨に入る前には芯止めを済ませておきましょう。しかし、成長力があり丈夫な庭木は、この時期以外におこなってもよい場合もあります。それぞれの樹種や環境によって最適な時期は多少ことなりますので、庭木の種類によって確認するとよいでしょう。
用意するもの
芯止めをするときに必要な道具は以下の通りです。
・太枝切りばさみ
直径が4センチメートルまでの剪定のときに使います。 切れ味のよい太枝切りばさみを使用してきれいな断面にすることで、切り口が腐ったり病気になったりしにくくなります。ギザギザにならずにきれいな断面の切り口にできるように、推奨された直径にあったはさみを用意してください。
・剪定のこぎり
直径が5センチメートル以上幹や硬めの枝に使う、園芸専用ののこぎりです。刃の長さ(刃渡り)は幹の直径の3倍以上あると、余分な力がかからずにきれいな断面の切り口に切り落とせます。
・脚立
高い場所の幹を芯止めするときなど、高いところで作業をするときに使います。
・癒合材
幹の切り口に雑菌が入らないように塗るものです。太い枝の切り口はなかなかふさぎにくいので、とくに休眠期の庭木には使うことをおすすめします。
庭木の種類別!芯止めの方法
次に代表的な庭木の種類ごとに、芯止めの方法を解説します。これらの庭木は成長が早いものばかりですので、樹高をおさえたいときには芯止めはかかせません。参考にしていただいて、芯止めにチャレンジしてみてください。
・シマトネリコ
シマトネリコの枝は全体的に細いので見分けがつきにくいのですが、枝分かれしているものの真ん中が主幹です。この主幹から上に出ている枝を節(枝の付け根)の上で切り落とします。丈夫でよく成長する庭木ですので、2月~8月の間に芯止めをおこなってもかまいません。
・常緑ヤマボウシ・落葉ヤマボウシ
常緑・落葉どちらもヤマボウシは、1月~3月に終えておきましょう。5月からの成長期に芯止めをすると、切り口から樹液が出てしまい成長が弱るためです。芯止めは高さを止めたい位置の輪生枝(放射状に並んでいる枝)の上で、主幹を切り落とします。
・カツラ
カツラは1年で1~2メートル伸びるほど丈夫ですので、6月~翌年3月の間に剪定できます。主幹は節(枝の付け根)の上で切り落とします。
・シラカバ・ジャクモンティー
落葉樹のシラカバ・ジャクモンティーは、12月~3月の間に剪定をおこないます。主幹は節(枝の付け根)の上で切り落とします。ただし、芯止めは負担がかかりやすい庭木ですので、幹の直径が5センチメートル以下のときにおこなってください。
・ハナミズキ
大きく育っていくので、庭が広くないときは3メートルの高さにするのがおすすめです。主幹は節(枝の付け根)の上で切り落とすほか、幹に近い側枝(横に向かって伸びる枝)も切って日光が当たりやすくなるようにしてください。
芯止めをおこなうときのコツや注意点とは?
次に芯止めをおこなう前に知っておくとよいコツや、失敗をして庭木を枯らさないようにするための注意点をご紹介します。あらかじめ知っておくと、安全に作業ができ、かつ、きれいな樹形に芯止めができるでしょう。
硬い幹の芯止めは無理をしない

硬い幹は剪定のこぎりを使って切り落としますが、刃を何度も往復させて切り落とす作業は、剪定に慣れていない人にとってはむずかしいものです。
脚立にのって一生懸命に作業に没頭していると、脚立から転落をしてしまうおそれがあります。一度に切り落とそうとするのではなく、休憩をとりながら作業をするなど無理をせずにおこなってください。
芯止め後に樹形を整えるコツは切り戻し剪定
芯止めをした後は、あわせて切り戻し剪定という作業もおこないましょう。芯止めをすると庭木の高さがおさえられますが、てっぺんだけ切ると樹形が不格好になることがあるためです。
切り戻し剪定とは、枝を途中で切って樹形を小さくまとめる剪定方法です。庭木全体の樹形をイメージしながらおこなってください。たとえば、ヤマボウシやハナミズキは波を打つように、カツラやシラカバは卵型の樹形に切り戻し剪定をするときれいな樹形になるでしょう。
太い幹を芯止めすると枯れてしまうことも
直径5センチメートル以上ある太い主幹の庭木は、作業がなれていない人にとっては芯止めがむずかしいかもしれません。きれいな断面に切るのが理想ですが、幹が太いときはギザギザの切り口の断面になってしまうものです。
切り口が平らではないとふさがるのに時間がかかります。この間に雑菌が入ってしまい、枯れる原因になるのです。もし切り口をきれいにする自信がないときは、庭木が枯れてしまうリスクを避けるためにも業者に剪定を依頼したほうがよいでしょう。
ほかにも、シラカバ・ジャクモンティーなど庭木の種類によっては、太い幹を芯止めすると枯れてしまうおそれがあります。このようにすべきかどうかわからないときは、業者に相談することをおすすめします。
はじめて業者に相談をする方は、まずは弊社のコールセンターまでお電話ください。「庭木が1本しかないから……」とご遠慮なさることなく、どんなことでもおたずねください。スタッフがご要望などを丁寧におうかがいしながら、全国にある数多くの加盟業者の中からご依頼にそえる業者をご紹介させていただきます。
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庭木のトラブルは剪定で防ぐ!
庭木の高さが数メートルを超えると、さまざまなトラブルが発生するリスクがあります。
ここでは、樹高が高い庭木でみられるおもなトラブルをいくつかご紹介します。できるだけこれらのトラブルを避けたいと思う方は、芯止め剪定をおこなって庭木の高さを調整することをおすすめします。
落葉樹は落ち葉に注意!

落葉樹は落葉期の冬になると、葉を落とします。そして、庭木の高さが高ければ高いほど落ち葉の量も多くなりますので、庭掃除が大変になるでしょう。また、庭木が屋根のそばに立っているときは、雨どいをつまらせてしまう原因にもなります。
また、落ち葉や折れた枝などが隣家や道路に落ちてしまうと、苦情などのトラブルに発展するおそれがあります。
倒木の危険性がある!
樹齢が高くなると、その分根を張る力が衰えてきますので倒木の危険性が高まります。台風などで倒れてしまうことを考えると、庭木の高さは高すぎないほうがよいでしょう。
万が一倒れてしまった場合、樹高が高ければ高いほど、多くの建物などを下敷きにしてしまうおそれがあるためです。また、物だけではなく、通行人などが事故の巻き添えになってしまうおそれがあるのです。万が一にも台風で倒れて事故の被害者や加害者にならないよう、適切な樹高を保っておきましょう。
剪定に自信がないときはプロにまかせよう
これらの手間やトラブルを避けるために、庭木の高さを剪定で調整することも検討してみてください。しかし、なかには「すでに大木になってしまって脚立では届かない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときは業者に剪定を依頼してみるのがおすすめです。大きくなりすぎた庭木の剪定には、その分大きな脚立や大きな刃渡りののこぎりなどの特殊な道具が必要になります。
しかし、業者に依頼すれば、これらの道具を購入する必要がありません。高さ5メートル未満の庭木1本の費用相場は3千円~7千円程度ですので、道具をそろえるよりも安く剪定をすることも可能でしょう。
弊社にご連絡をいただきましたら、お住まいの地域の優良な加盟業者をご紹介させていただきます。大きな庭木の剪定はもちろん、隣家の敷地に配慮した庭木のアドバイスなど、ご要望にあわせてご提案できる業者を派遣しております。
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