6月から7月にかけて開花する紫陽花(アジサイ)は、古くから日本人に親しまれてきた花で、じめじめと不快な梅雨時でも心を和ませてくれます。そんな紫陽花はご家庭でも育てられる花であり、庭木として植えられていることも多いです。そして、紫陽花は初心者でも育てやすい植物といわれています。
しかし、成長が早いこともあり、定期的な剪定が必要になるのです。紫陽花(アジサイ)は剪定をしていないと、美しく花を咲かせることができないだけでなく、翌年も花を楽しむことができなくなる可能性があります。今回は、紫陽花の基本知識から育て方、剪定、年間スケジュールまで、すべてを網羅した紫陽花(アジサイ)についての情報をご紹介いたします。
目次
- ▼紫陽花(アジサイ)剪定が必要な理由
- ▼紫陽花(アジサイ)についておさらい
- ▼剪定が必要な3つの理由
- ▼紫陽花(アジサイ)のお手入れ方法【剪定・時期】
- ▼剪定に必要な道具
- ▼【6月~8月】花後の剪定
- ▼【11月~3月】整える剪定
- ▼紫陽花の剪定のポイント
- ▼紫陽花(アジサイ)の剪定はプロにおまかせ!
- ▼紫陽花(アジサイ)を上手に育てる方法
- ▼紫陽花(アジサイ)の年間スケジュール【植え替え・挿し木・肥料 など】
- ▼紫陽花(アジサイ)によくみられる病気や害虫
- ▼紫陽花(アジサイ)のお手入れをプロにまかせるメリット
- ▼業者に依頼した際の費用相場
- ▼紫陽花(アジサイ)剪定の相場
- ▼業者選びに迷ったら?この2つに注目!
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紫陽花(アジサイ)剪定が必要な理由
紫陽花(アジサイ)の育て方のなかでも、ここでは剪定についてから見ていきましょう。まずは、紫陽花(アジサイ)に剪定が必要な理由をご紹介します。
紫陽花(アジサイ)についておさらい

紫陽花(アジサイ)は日本原産の落葉低木で、現在では世界中で広く親しまれ、2,000種ほどの品種があるといわれています。以前は、「移り気」や「浮気」という花言葉からも贈答用には敬遠されてきましたが、最近は母の日や父の日のプレゼントとしても定番になりました。
また、園芸用植物としても多くの愛好者がいます。日当たりの悪い環境や多湿に強いので、初心者でも比較的に育てやすい花でもあるのです。
剪定が必要な3つの理由
鉢植えでも、地植えでも紫陽花をきれいに咲かせるには剪定が不可欠です。
紫陽花の剪定をする目的1:花を楽しむため
紫陽花は成長が早いので適切に剪定しないと、かなり大きくなり見栄えも悪くなってしまいます。なぜなら、紫陽花は茎の先に花がつくのでどんどんと茎を高く伸ばしていくと、目線よりも上に花が咲いてしまいます。
こうなると、せっかくの紫陽花も鑑賞しにくいですし、バランスのとれた美しさとはいえません。鑑賞に適した位置で花が咲くように調整するのが一般的です。
紫陽花の剪定をする目的2:翌年以降も花を楽しむため
翌年の開花に養分を回すためにも花が終われば早めに剪定しましょう。花のつかない枝を伸ばすよりも、十分栄養が回るように枝を絞ることで美しい花を咲かせることにつながります。
紫陽花の剪定をする目的3:病気や・害虫の予防のため
紫陽花は比較的、病気や害虫に強い植物ですが、通気性が悪いなど条件によっては病気にかかってしまうこともあります。通気性をよくして、病気を防ぐためにもあまり茎や葉が重ならないよう、剪定する必要があるのです。
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紫陽花(アジサイ)のお手入れ方法【剪定・時期】
さて、紫陽花には剪定が必要だということがお分かりいただけたかと思いますが、 いつ、どのようにおこなうべきでしょうか。ここからは、必要な道具をはじめ、時期、どのような剪定すればよいのかについてご紹介します。
剪定に必要な道具

紫陽花の剪定には一般的な園芸用で取り扱われている剪定ハサミがあれば十分です。特別なものは必要ありません。
また、紫陽花には毒があることをご存知の方も少なくないでしょう。しかし、花や葉に触れただけでは、中毒にはならないので、剪定の際にはそれほど心配する必要はありません。しかし、花や葉を誤って食べてしまうと、嘔吐やめまいなどの中毒症状が現れます。
くれぐれも剪定した、花、葉や茎などを放置せずにきちんと処分してください。小さいお子様やペットがいるご家庭では十分に気をつけてください。
【6月~8月】花後の剪定
紫陽花の花が終われば、速やかに剪定をしましょう。これが、翌年も花を楽しむために欠かせない重要な作業なのです。
紫陽花は2年ごとに咲くといわれています。今年花が咲いた枝は再来年に咲き、今年咲かなかった枝は翌年に咲く可能性が高いのです。つまり、今年咲いた花の枝は剪定すべきなのです。それ以外にも、咲き終わった紫陽花は散りませんので、咲き終わった花を除去するためにも剪定が必要となります。
この際に、細い枝をはじめ、内側に向かっているもの、下向きのもの、または伸びすぎている枝も、剪定して風通しをよくしましょう。風通しをよくしておくことで、病気や害虫の予防効果があります。
続いて、剪定方法をお伝えします。花が咲き終わった後、紫陽花の花びらが裏返りますので、それが剪定時期の目安になります。花の下2節目のあたりに新しい花芽が出てくるので、その2センチほど上の位置で切ります。
全体を小さくまとめたいのであれば、何本か花を咲かせる枝を残すとして、不要な枝はがっつりと3分の1ほどの長さまで切ってもよいでしょう。また、花が終わっていない状態で早めに切り、切り花と楽しんでも構いません。
終わった花をいつまでもつけておくと、翌年以降の開花に影響が出る可能性があります。毎年花を楽しむのであれば、早めの剪定を心がけましょう。
品種によっては剪定時期が異なるものもあります。例えば「アナベル」という品種の紫陽花はほかの紫陽花と開花時期が異なりますので、やはり剪定時期も異なるのです。
早すぎる剪定によって花が咲かなくなる可能性もありますので、どういった品種でベストな剪定時期はいつなのか確認しましょう。
【11月 ~ 3月】整える剪定
紫陽花は気温が下がっていると葉が落ち、休眠期に入ります。この11から3月の休眠期にも剪定をします。
休眠期は花芽をつくる大切な時期でもあり、休眠期の剪定が紫陽花の花の美しさに影響するといえます。また、株の内部が混み合っていると数通しが悪くなり、うどんこ病など発生しやすくなるので、枯れた枝を取り除くことも求められます。
まずは、枯れた葉を落とします。色が白っぽくなっていたり、乾燥してしまった葉は落としましょう。ほかにも、枝全体が枯れかけているようなものがあれば、切っておきましょう。
また、1度目の剪定で切ったところの花芽より先の枝を切り落とすことで、より花をきれいに咲かせることができます。
紫陽花の剪定のポイント
紫陽花の剪定をおこなわず増やしていくというのは現実的ではありません。どちらのお庭でもスペースには限りがあるでしょう。何年も育てていくとかなりの大きさになりますので、ある程度大きさを整えていく作業は必要不可欠といえます。
花後と休眠期の2回の剪定は花をきれいに咲かせるための重要な剪定ではありますが、2回も剪定するのは面倒だと感じる方もいるでしょう。花後の剪定時に、花が咲いた枝と咲かなかった枝の分岐点で剪定する方法であれば、1度の剪定で済みます。
紫陽花(アジサイ)の剪定はプロにおまかせ!
剪定は花をきれいに咲かせるための重要な作業ですが、切りすぎてしまったために紫陽花の花が咲かなかったという話もよくあるのです。
多くのアドバイスでは大胆に切っていくよう指導していたりするのですが、初心者にとっては実際どれほど大胆に剪定すればよいのか、その加減は大変悩むものです。また、庭に植えた紫陽花を何年も放置してしまって手がつけられないという方もいるでしょう。
紫陽花の剪定でお悩みであれば、剪定のプロに相談してはどうでしょうか。紫陽花を育てていくのであれば、やはり花を楽しむべきです。そして、私たちがきれいな花を楽しむだけでなく、プロにまかせてきちんと花を咲かせてあげることが紫陽花にとっても重要なのです。
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紫陽花(アジサイ)を上手に育てる方法
紫陽花は丈夫な植物であり、鉢植えでも育てることが可能で、初心者にとっても育てやすい花です。せっかくなら、より花をきれいに咲かせることでできるよう、上手に育てたいものです。
紫陽花(アジサイ)の年間スケジュール【植え替え・挿し木・肥料 など】

紫陽花を育てる土壌について
紫陽花は育てる土の性質により花の色を変えることがよく知られています。リトマス試験紙を思い出してみていただくと分かりやすいでしょう。酸性の土であれば青色に、中性から弱アルカリ性の土であればピンク色が発色します。
もちろん、品種による花の色の違いもありますが、ピンク系の紫陽花を酸性の土に植えると青みがかった紫色になる可能性があります。品種やご自身が楽しみたい花の色をよりきれいに発色させたいのであれば、土や肥料には注意しましょう。
紫陽花は苗から
紫陽花は種から育てることもできますが、開花までに3~4年を要します。4月ごろから開花した紫陽花の鉢が出回り始めますし、苗であれば1年を通して手に入れることができます。
植え付け、植え替えの時期と場所
紫陽花の植え付けは11月から2月にかけての休眠期におこないます。春になって根が動き出す直前が最も適しています。土の酸性度は花の色に影響しますが、紫陽花を育てるという点では特別なものは必要ありません。
日当たりが悪い場所でも育つことができますが、花付きが悪くなるので地植えの場合には、半日以上日光の当たる場所を選びましょう。
鉢植えの紫陽花や開花した鉢を購入した場合も、同じく休眠期には一回り大きな鉢へ植え替えをおこないましょう。紫陽花はよく成長する植物です。小さい鉢のままだと養分が足りず、翌年花が咲かないことも考えられます。
水やり
地植えの場合、植え付け直後からしっかりと根が張るまでの期間以外に、水やりは必要ありません。しかし、乾燥を嫌うので夏場に土が乾いているようであれば、水を与えます。
鉢植えの紫陽花は地植えに比べて乾きやすいので、特に夏場の乾燥に注意しましょう。表面の土が乾いたら、鉢の底から水が出るほどたっぷり与えます。日によっては朝夕の2回水やりが必要になりますので、土の乾き具合は毎回欠かさずにチェックしましょう。
肥料
肥料は根や葉がよく成長する休眠期明けの初春、開花の直前、そして花が終わった後に与えます。花前、花後の肥料どちらもきれいに花を咲かせるためのものです。発酵油かすの固形肥料や緩効性化学肥料を与えます。
紫陽花の増やし方
地植えの紫陽花は一般的には植え替えはおこないません。強い繁殖力があるので、そのまま剪定せずにしておくと、かなり大きく成長することになるでしょう。
また、紫陽花は「挿し木」で増やすことができます。挿し木に適しているのは6月から7月にかけての梅雨時です。この時期は湿度を保つことができ、日照時間も長いので最も適しています。
1月中旬から3月にかけておこなう「休眠枝挿し」もあります。しかし、品種によってはこの時期では根がつきにくいことがあります。
紫陽花(アジサイ)によくみられる病気や害虫
今回何度も紫陽花は丈夫な植物であるとお伝えしていますが、全く病気や害虫の被害出ることもありますので、紫陽花を育てるうえで気をつけたい病気や害虫をご紹介します。
うどん粉病
葉全体が粉をまぶしたように白いカビに覆われてしまう病気です。葉の養分を吸い取り、光合成を阻害してしまうので、紫陽花全体の生長に影響が出てしまいます。春から秋にかけて発生しますが、特に初夏から晩秋が特にかかりやすい時期です。
適切に剪定をして紫陽花の風通しを良くしておくことが、うどん粉病の予防になります。
炭疽病
炭疽病は紫陽花の葉、茎や花などさまざま場所に発生します。炭疽病にかかると褐色でくぼんだ円形などの病斑が出てきます。次第に病斑が拡大していき、穴が開き枯れてしまいます。炭疽病もうどん粉病と同じく風通しをよくしておくことが予防になります。
紫陽花には比較的虫がつきにくいといわれていますが、アブラムシ、アオバハゴロモ、ハダニ、アジサイハバチやアジサイワタカイガラムシなどによる被害が出る可能性もあります。
特に、アジサイハバチは紫陽花にだけつくハバチであり、4月から6月にかけて注意が必要です。アジサイハバチの幼虫がついてしまうと、葉脈を残して葉を食べつくされてしまいます。もし、見つけた場合にはすぐに薬剤を散布するなど対処しましょう。
紫陽花(アジサイ)のお手入れをプロにまかせるメリット
プロに紫陽花のお手入れまかせるにはお金がかかります。しかしそれ以上にメリットがあるのです。
何よりもまず、ご自身で剪定することでの切りすぎなど失敗を防ぐことができます。そして、単なる枝を切り落とすという作業ではなく、紫陽花が庭木としてどのように構築されていくのかを見極めて、庭全体のバランスや紫陽花の状態に合わせたベストな剪定が期待できるのです。
ほかにも、しっかりとプロが状況・状態をみてくれるので、将来にわたって紫陽花が花を咲かせていけるよう、アドバイスが得られるのも大きいでしょう。
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業者に依頼した際の費用相場
さて、業者に頼むと決めたとしても、料金やサービスなどで業者選びも悩むところです。特に気になるのは料金でしょう。きちんと相場を知っておけば、不当な料金を支払うこともないですし、しっかりと誠実な業者を見極めることもできます。
紫陽花(アジサイ)剪定の相場

まずは、作業にかかる時間によって料金は大きく変わってくるでしょう。例えば植木職人ひとりにつき15,000円から30,000円が一日の料金として一般的にはかかってくるようです。
もちろん地域によっても異なりますし、一日ではなく時間で依頼するのであれば、1時間当たり2,000円から3,000円ほどであるようです。
また、剪定する庭木の本数によって料金を設定している場合も多くあります。3メートル未満の低木の庭木なら1本1000円から請け負っている業者もあり、紫陽花1本の相場としては1本2,000円から5,000円ほ どとみられています。
このように作業時間だけでなく、どれくらいの量の剪定が必要なのかによっても大きく異なってくるでしょう。
相場も知っておくことは重要ですが、紫陽花の状態・状況によって大きく変動することは否めません。ですので、見積りを取ることをおすすめします。
業者選びに迷ったら?この2つに注目!
料金だけでなく、サービス内容やすぐに剪定に来てくれるのかも重要なポイントだといえるでしょう。業者選びで迷ったら、まずはこの2つに注目してください。
ひとつ目は、現地調査をして見積りを出すなど料金をはっきり提示してくれる業者を選びましょう。なかには、見積り無料の業者もあります。見積り無料の業者から複数の見積りを取れば、よりよい選択が可能です。
そして、ふたつ目は時間の都合を合わせてくれるのかです。剪定には立ち合いが必要な場合がほとんどです。また、問い合わせや見積りなど実際の剪定作業が開始するまでにも、かなりの時間が必要になることも予想されます。
ご自身が問い合わせをしたいと思ったときに連絡ができ、現地調査にも都合をつけてくれる業者が最善です。せっかく、時間と費用をかけて業者に依頼するのですから、少しでもご自身が納得できる業者を選択しましょう。
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